
システムエンジニア(SE)として成長できるかどうかは、
最初の3ヶ月でどれだけ“正しい基礎”を身につけられるかに左右されます。
この記事では、初心者SEが最初の3ヶ月で確実に取り組むべき内容を、
実務レベルで使える順番にまとめました。
◆ 1ヶ月目:IT基礎の理解と“土台づくり”
最初の1ヶ月は「SEとしての最低限の足腰を作る期間」。
ここを飛ばすと必ず後で困ります。
● OS(Windows / Linux)の基礎操作を身につける
- ディレクトリ構造
- 権限(読み取り / 書き込み / 実行)
- プロセス・サービスの確認方法
- タスク管理・サービス再起動
- コマンドライン(PowerShell / Bash)の基本操作
特に重要:
GUIではなく「コマンドで操作できる」ようになること。
● 最初に必ず覚える開発者ツール
- PowerShell
- VSCode
- ターミナル操作
- Gitの簡単な使い方(clone、pull)
● ログとは何かを理解する(初歩)
多くの新人がここを軽視しますが、
実務で一番使うのは「ログの読み方」。
- Windows:イベントビューア
- Linux:/var/log/messages など
エラー行の探し方だけ最初に覚えればOK。
● ビジネススキル(IT業界版)
新人SEは技術よりまず“動き方”が評価されます。
- 報連相(報告・連絡・相談)
- 結論から話すPREP法
- メールの基本フォーマット
- タスク管理(自分が何をしているか可視化)
✔ 1ヶ月目の到達目標
- OSを基本操作できる
- コマンドに抵抗がない
- 簡単にログを読める
- 先輩に報告できる
◆ 2ヶ月目:ネットワークの理解を深める月
新人SEが最もつまずくのがネットワーク。
ここを理解できた瞬間、一気に世界が変わります。
● ネットワークの基礎(絶対に理解すべき)
- IPアドレス
- サブネット
- DNS
- DHCP
- デフォルトゲートウェイ
- ルーティングとは?
- ポート番号とは?
● ping / tracert / nslookup の実践
これらの使い方を知っているだけで
トラブル対応が一気にできる人になります。
- ping:到達性確認
- tracert:経路の確認
- nslookup:名前解決
単なるコマンドではなく
「何を切り分けるために使うのか?」を理解するのが重要。
● HTTP / HTTPS の基本理解
- ブラウザ→サーバへの通信の流れ
- 認証の仕組み
- SSLとは何か?
アプリ系でもインフラ系でも絶対使う知識。
● ネットワーク図の読み方
現場では必ず構成図が出てきます。
- L2 / L3の違い
- Firewall / LB
- サーバ配置と疎通関係
図が読めれば、障害対応のスピードが段違い。
✔ 2ヶ月目の到達目標
- ping、tracert、nslookupを使いこなせる
- 通信の流れを説明できる
- 構成図を読めるようになる
- ネットワーク起因の障害を大まかに切り分けられる
◆ 3ヶ月目:ログ分析・監視・障害対応の基礎を身につける月
3ヶ月目は新人SEが“現場で使えるスキル”を身につける期間。
● ログの深掘り
1ヶ月目に基礎をやったので、ここから実践に入ります。
- どのログを見ればいいか
- 発生時刻で絞り込む
- エラーコードの探し方
- サービス停止・再起動の確認
ログが読める=トラブルに強いSE。
● 監視の理解(インフラ系は特に必須)
- CPU / メモリ / ディスク / ネットワーク
- 阻害要因の見つけ方
- “正常”とは何か
- アラートの優先度判断
● 障害対応の基本フロー
① 事象の確認
② 再現性の確認
③ 切り分け
④ 原因の特定
⑤ 対処
⑥ 再発防止策
新人が必ずやるべきことは
「何が起きているか整理する」こと。
● タスク管理・振り返りの習慣化
- 作業ログの記録
- 作業前後の確認
- 改善点のメモ
- 学習ノート作成
3ヶ月経てば「この子に任せられそう」と思われ始めます。
✔ 3ヶ月目の到達目標
- ログ分析が自力でできる
- 障害対応の初動が理解できる
- 監視項目の意味を説明できる
- 作業をメモして改善できる
◆ 最初の3ヶ月で身につく力まとめ
- OS操作
- ネットワークの基本理解
- ログ分析
- 監視の基礎
- 障害初動対応
- 報連相の徹底
- 現場で求められる“動き方”
この3ヶ月はSEにとって「基礎筋肉」をつくる期間です。
この土台があるかどうかで、今後の成長速度が大きく変わります。


コメント